TERM(用語紹介)

あ行

特区警備隊
[アイランド・ガード]

魔族特区内の治安維持を担当する武装警察組織。対魔族戦闘を想定した特殊弾頭や防護服などの充実した装備を持つ。絃神島主要施設の警備を行うほか、凶悪魔導犯罪者を取り締まる強襲班、国家攻魔官が多く所属する攻魔班など、各種の専門部隊が存在している。行政上の管轄は警視庁だが、実態は人工島管理公社の私設部隊に近い。

アッシュダウンの惨劇
[アッシュダウンのさんげき]

十年以上前に北海帝国の都市アッシュダウンで引き起こされた異常現象。謎の魔術儀式によって、都市の住民百数十名と、周囲の森林三百ヘクタール以上が消失した。犯人は〝アッシュダウンの魔女〟こと、魔導犯罪者メイヤー姉妹。彼女たちはその儀式によって悪魔を召喚し、守護者〝灰の樹海〟を手に入れた。

アルデアル公国
[アルデアルこうこく]

欧州〝戦王領域〟内にある国家のひとつ。君主はディミトリエ・ヴァトラー。領土の西側はバルト海に面しており、アルディギア王国と国境を一部接している。芸術が盛んなことで知られており、人類圏からの旅行者や移民も広く受け容れている。

アルディギア王国
[アルディギアおうこく]

北欧の立憲君主制国家。君主はルーカス・リハヴァイン。主産業は観光と魔導技術。王族の女子はほぼ例外なく強力な霊媒であり、王家には模造天使をはじめとする独自の高度な魔術が多く伝えられている。また、戦王領域と国境の一部を接しているため、アルディギア軍は古くから魔族との実戦経験が豊富で、現在でも兵の勇猛さで知られている。

絃神島
[いとがみじま]

東京の南方330キロ付近の海上に建造された人工島。行政区分は東京都絃神市。ただし島の全域が魔族特区に指定されており、実際には人工島管理公社によって統治されている独立行政区である。
人口は約56万人。東西南北に配置された4基の超大型浮体式構造物と、それらを連結するキーストーンゲートによって構成されている。真冬でも平均気温は20度を超える温暖な気候である。

意思を持つ武器
[インテリジェント・ウェポン]

魔術やそれに準ずる技術によって、あるいは武器素材の関係で、使用者とは独立した知性を持つことになった武器の総称。独自の戦術判断システムや魔力供給システムを備えていることが多く、通常の武器と比較して強力であるとされる。ただし武器との相性によって使用者が限定されるという欠点もある。

疑似聖剣
[ヴェルンド・システム]

アルディギア王国が開発した最新鋭の騎士装備。特殊な術式を組みこんだ武器に大量の霊力を供給することで、武器の霊格を一時的に聖剣レベルまで引き上げるという戦術支援兵器。魔族に対しては圧倒的な効果を持つが、運用に大型の精霊炉を必要とする。

LCO(エル・シー・オー)

国際的な魔導犯罪組織。通称〝図書館〟。当初は魔導書を収集・保護する魔導師たちの集団だったが、魔導書確保のために手段を選ばないという方針や、災いを撒き散らす魔導書の性質上、次第に犯罪組織の性格を帯びていった。
図書館の十進分類法になぞらえた十部門の組織(総記、哲学、宗教、社会、言語、科学、技術、芸術、文学、歴史)を持ち、それぞれ独立した九つの組織を、総記である仙都木阿夜が統括していた。組織間の交流は少なく、互いに対抗心を持っている模様。

重気流躰
[エアロダイン]

過適応者である矢瀬基樹が、大気を操作することで生み出す分身。質量を持った霊体のようなもの。開けた場所であれば、数千メートル離れた場所までの遠隔操作が可能。偵察などの用途のほか、肉体を構成する圧縮空気を解放することで、ある程度の攻撃力も持つ。浅葱たちを誘拐したヘリコプターの追跡や、船上にいる雪菜に雪霞狼を届けるために使われた。

模造天使
[エンジェル・フォウ]

人間を人工的に霊的進化させて生み出した高次生命体。霊的中枢を限界まで強化された七人の被験者同士を戦わせ、倒した相手の霊的中枢を奪うことで、生き残った最後の一人が完全な模造天使に到達するといわれている。
この段階に到達した被験者にはすでに自分の意思はなく、邪悪な存在を攻撃するだけの「現象」へと成り果てる。高次空間から無尽蔵に神気を取り出すことで、やがて本物の天使へと変化するといわれている。

オシアナス・グレイヴ

ディミトリエ・ヴァトラーが所有する外洋クルーズ船。全長約122メートル。民間船という建前だが、軍用のドック型揚陸艦と同じ構造を持ち、後部格納庫内に大型の古代兵器ナラクヴェーラ数機を格納していた。

機械人形
[オートマタ]

自律思考が可能な人型ロボットの総称。慣例上、生体部品を使用していないものを指す。所持は登録制で、主に企業などで使われている。軍事利用は禁止されており、起動コアにロボット三原則に相当するものが組みこまれている模様。

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か行

カノウ・アルケミカル・インダストリー

絃神市内に支社を持つ大手企業。主に錬金術を応用した素材の研究開発を行っている。黒死皇派のシンパである槙村洋介の勤務先だった。

神憑り
[かみがかり]

強力な霊体が人の身体に乗り移ること。また、そのような状態の人物。優れた霊能力者であれば、自らの肉体に受け容れた霊体の力を、自らの霊力として引き出すことが可能。ただし扱う力が大きくなるほど、その反動や暴走の危険性が飛躍的に高まっていく。

仮面憑き
[かめんつき]

模造天使の素体の通称。彼女たちが装着している思考拘束具が仮面のように見えることから、特区警備隊によって暫定的に命名された。

監獄結界
[かんごくけっかい]

通常の手段では閉じこめておけない魔導犯罪者を拘置するために生み出された呪術的な監獄。本来の姿は小型の増設人工島だが、亜空間に放逐されているため、その存在を感知することはできない。亜空間の内部は時間の流れが存在しないため、いかなる手段をもってしても脱出は不可能である。
亜空間は南宮那月が見ている「夢」という形で維持されているため、術者である那月自身も、亜空間で眠り続けていなければならない。そのため那月は、魔術によって生みだした分身を通常空間に送りこんで活動している。

吸血鬼
[きゅうけつき]

魔族の一種。狭義では、真祖の血族に連なる者のみを指す。人間とほぼ同じ肉体構造を持つが、負の生命力によって活動しており、高い自己再生能力を保有する。また、眷獣と呼ばれる召喚獣を体内に寄生させており、その眷獣の能力を引き出すことで、様々な超能力を使うことができる。一方で、肉体そのものは魔族としては脆弱な部類に入り、貴金属の弾丸や陽光などの多くの弱点を持つ。

吸血衝動
[きゅうけつしょうどう]

吸血鬼に特有の本能的な欲望。異性の血を吸いたいという強烈な欲求に襲われる現象。喉の渇きと破壊衝動が特徴だが、発現の引き金となるのは、多くの場合、性的欲求である。
しばしば吸血鬼が邪悪なものとして忌み嫌われる原因となるが、あくまでも生理的な欲求であるため、本人の人格とは無関係である。

宮廷魔導技師
[きゅうていまどうぎし]

特に魔導技術立国アルディギアにおいて、王宮に直接雇用されている魔導技師のこと。王家に伝わる魔導儀式や魔具など、通常では触れることができない魔術の研究が可能な特権的な立場であり、生半可な実力ではこの地位を手に入れることはできない。

空間制御
[くうかんせいぎょ]

空間そのものに干渉する魔術。瞬間移動や障壁、物質転送などの様々な形で使用される。ただし極めて難度の高い魔術であり、使用できるのは高位の魔法使いか魔女に限られる。

供犠建材
[くぎけんざい]

人間を魔術の触媒に使うことで、強度を上げた特殊な建材のこと。いわゆる人柱。霊格の高い人間ほど強固な建材の材料になることが知られている。また、生け贄としては高僧の即身仏(ミイラ)や聖人の不朽体(聖遺物)でも同様の効果が得られる。

眷獣
[けんじゅう]

吸血鬼が異界から召喚する召喚獣。様々な超常現象を引き起こし、宿主に強大な力を与える。しかし凄まじい勢いで宿主の寿命を消費するため、無限の〝負の生命力〟を持つ吸血鬼以外に扱うことは不可能だといわれている。自らの意思を持つに至った桁外れに強大な魔力の塊であり、より巨大な魔力か神気をぶつける以外にダメージを与える手段がない。 眷獣とは、吸血鬼の〝血脈の記憶〟から召喚されるため、古い血族であればあるほど強力な眷獣を数多く従えることができる。また同じ血族の吸血鬼であれば、使役する眷獣は似たタイプになることが多い。

剣巫
[けんなぎ]

獅子王機関に仕える攻魔師。剣を扱う巫女という程度の意味。一瞬先の未来を見る霊視を得意とし、優れた戦闘能力を持つ。主任務は単独での魔族・魔獣の撃破。その数は非常に少なく、現役の剣巫は雪菜を含めて三十名に満たない。

煌華麟
[こうかりん]

煌坂紗矢華に貸与された六式重装降魔弓の銘。

攻魔師
[こうまし]

呪術、魔術、仙術などを使って、魔導犯罪者や魔獣の捕獲・殺傷を生業とする者たちの総称。古くは降魔師と呼ばれていた。狭義には、攻魔師連盟が発行する資格認定証(Cカード)の所有者を指す。

黒死皇派
[こくしこうは]

獣人優位主義を標榜して、第一真祖と敵対している戦王領域のテロリスト・グループ。首謀者は黒死皇を名乗る死霊魔術使いの獣人だったが、すでに死亡。現在は黒死皇の盟友クリストフ・ガルドシュに率いられている。

沿岸警備隊
[コースト・ガード]

魔族特区内の海域での哨戒・警備救難活動を行う組織。特に犯罪船舶による密輸や密入国の阻止を行っている。行政上の管轄は海上保安庁。特区警備隊とはあまり仲が良くない模様。

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さ行

彩海学園
[さいかいがくえん]

絃神市内にある中高一貫教育の共学校。市立。生徒数は中等部が各学年150人前後(5クラス)、高等部が 240人前後(8クラス)の計1200人弱。そのうち魔族は50人弱。
彩海学園には強力な(純粋な)魔族は少なく、留学生程度の感覚で普通の生徒たちに溶けこんで生活している。授業のカリキュラムも本土の高校とほとんど変わらない。

音響結界
[サウンドスケープ]

過適応者である矢瀬基樹が、念動力によって形成した特殊な監視フィールド。結界内にある標的の位置と行動を非常に高い精度で特定することができる。ただし感度が高すぎるせいで、会話の内容までは聞き取れないのが欠点。また爆発的な大音量に弱く、一度破壊されると再構築に数時間を必要とする。

獅子王機関
[ししおうきかん]

国家公安委員会に設置されている特務機関。大規模な魔導災害や魔導テロを阻止するための、情報収集と謀略工作が主な任務。また平安時代に宮中の霊的守護を担当していた滝口武者を源流としているため、現在でも要人の警護を行うことが多い。 剣巫や舞威媛などの攻魔師を内部で養成しているほか、七式突撃降魔機槍などの武神具の開発も行っている。

七式突撃降魔機槍
[シュネーヴァルツァー]

全金属製の銀色の長槍。獅子王機関の秘奥兵器。神格振動波駆動術式を刻印されており、魔力を無効化し、ありとあらゆる結界を斬り裂く破魔の槍。魔族にとっては天敵ともいえる凶悪な武装であり、吸血鬼の真祖をも殺し得るといわれている。ただし武器の核として古代の宝槍の一部が使用されているため、量産が利かず、同種の武器は三本しか現存しない。変形機構を有しており、通常は半分以下の長さに折り畳んで運搬される。

守護者
[しゅごしゃ]

契約の対価として魔女に与えられた悪魔の眷属。魔女の肉体と霊的径路で接続されており、守護者を経由して、魔女は膨大な魔力を自在に扱うことができる。眷獣と同様の魔力の塊で、その能力も眷獣にほぼ匹敵する。
魔女は自らの従者として守護者を自在に操ることができるが、その一方で、悪魔との契約に逆らった場合、守護者によって命を奪われるリスクを負う。

獣人
[じゅうじん]

魔族の一種。遺伝的な要因、あるいは突然変異などで一般人と異なる細胞組織を保有する者を指す。魔族の中ではもっとも数が多く、個体差も大きい。平均的には人類よりも強靭な肉体と高い治癒力を持つが、虚弱なものや自己免疫疾患などに苦しむ者も少なくない。また平均寿命も短く、出生率もやや低い。必ずしも獣人のすべてが変身能力を持っているわけではなく、人類とは明らかに異なる身体的特徴があり、それを隠す手段を持たない者も多い。彼らに対する差別は依然根強く、それを逃れるために魔族特区への移住を希望する者もいる模様。

真祖
[しんそ]

もっとも古く、もっとも強大な魔力を備えた〝始まりの吸血鬼〟。神々によって不死の呪いをかけられており、決して滅びることがないといわれている。公式には三名だけしか存在を認められていない。三人の真祖は、三つの大陸にそれぞれが夜の帝国(ドミニオン)と呼ばれる自治領を保有している。強大な眷獣を多数従えているため、国際法上は、彼らそれぞれが一国の軍隊と同等の扱いを受ける。

スーヴェレーン

欧州の武装中立国ヘルヴェティア製のスーパーコンピューター。世界最高レベルの演算能力を誇っている。人工島管理公社はそれを計五基保有しており、人工島内のネットワークの維持管理を行っている。

聖遺物
[せいいぶつ]

聖人の遺骸や遺品のうち、特に強大な霊力が残留したものを指す。数々の奇跡を引き起こすほどの力を持ち、宗教的な崇拝の対象となるだけでなく、最高ランクの魔術触媒となる。聖遺物の所有権を巡って、過去には多くの戦争が引き起こされたことも。

西欧教会
[せいおうきょうかい]

欧州に本拠を置く宗教組織。本来の教義は至高神を祀る一神教だが、一般には、魔族退治に功績のあった聖人たちを崇める宗派として親しまれている。これは欧州各地が過去に幾度となく魔族との戦争を経験しているという地理的な要因によるもの。そのため敬虔な信徒の一部は、聖域条約が締結された現在でも、魔族に対する 敵意を隠そうとしない。一方で魔族との融和を推進する穏健派の信徒も存在する。

聖環騎士団
[せいかんきしだん]

アルディギア王国陸軍近衛師団の儀礼的名称。王族の警護や衛兵任務を行うだけでなく、対魔族戦闘を専門とする最精鋭の実戦部隊でもある。これは王族の女子がほぼ例外なく強力な巫女であるというアルディギア王家の特殊性により、彼女たちの支援を受けながら戦うというスタイルが伝統的に確立されているため。疑似聖剣をはじめとする強力な武装を数多く保有しており、国境を接する戦王領域の脅威に対する抑止力となっている。

雪霞狼
[せっかろう]

姫柊雪菜に貸与された七式突撃降魔機槍の銘。

殲教師
[せんきょうし]

魔族殲滅の任務を帯びて、世界各地に派遣される西欧教会所属の祓魔師(エクソシスト)。司教クラスの高位の聖職者でもあり、高い霊力と武人としての戦闘能力を併せ持つ。魔族の天敵だが、欧州の市民、特に西欧教会の信徒にとっては英雄的な存在。

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た行

高神の杜
[たかがみのもり]

獅子王機関の下部組織。全国から霊能力を持つ孤児を集めてきて、攻魔師として育成している。雪菜や紗矢華もここで育てられた。所在地は酒呑童子伝説で有名な京都府の大江山。修行は過酷だが、雰囲気はむしろ家庭的で、非人道的な虐待が行われているわけではないらしい。卒業生の多くは呪術捜査や呪術鑑識などの比較的地味な仕事についており、剣巫や舞威媛の肩書きが与えられるのはごく一部の例外的なエリートだけ。
対外的には関西の全寮制名門女子校「高神の杜高校(付属小・中学校)」として知られている。学力レベルは非常に高く、ここでの教育を受けた雪菜は中学三年生時点で高校卒業程度の学力を有していた。また制服がダサ可愛いことでも有名らしい。

六式重装降魔弓
[デア・フライシュッツ]

全金属製の銀色の長剣。獅子王機関の可変型試作制圧兵器。呪術によって疑似的に〝空間断裂〟と同じ現象を再現することが可能で、理論的にはいかなる物質をも切断することが可能。また剣によって薙ぎ払われた空間は絶対的な〝楯〟として機能する。ただし効果が持続するのは一瞬だけで、同時に疑似空間断裂を発生させられるのは一方向のみという制限もある。
変形させて弓として使用することも可能。その場合は、呪力を封印した鳴り鏑矢を射出し、人間の肺活量では詠唱不可能な大規模呪術を展開する呪術砲台として機能する。

D種
[ディーしゅ]

魔族の能力的な特徴による分類のひとつ。主として第一真祖の血族の吸血鬼を指す。 なお、第二真祖の血族はG種、第三真祖の血族はT種と呼ばれる。人類における人種と同様に、生物学的な差異や優劣があるわけではない。

夜の帝国
[ドミニオン]

魔族に統治されている国家のこと。特に吸血鬼の真祖によって支配されている「戦王領域」「滅びの王朝」「混沌界域」の三つの自治領を指す。決して魔族だけが住んでいるわけではなく、人口の大半は普通の人間。市民の権利などはそれぞれの夜の帝国によって大きく異なる。

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な行

ナラクヴェーラ

第九メヘルガル遺跡から発掘された古代超文明の遺産。強大な攻撃力と学習による自己進化・修復機能を兼ね備える。

ネコマたん

妖怪〝猫又〟をモチーフにしたゆるキャラ。アクセサリ、ステーショナリー、コンビニとのタイアップなど幅広く商品展開をしている。

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は行

波朧院フェスタ
[はろういんフェスタ]

毎年十月最終週に開催される絃神市最大の祭典。ハロウィーンがモデルになっているらしい。本来は秋の収穫を祝う行事だが、海洋都市である絃神市の実情にあわせて、船舶の安全を祈願する祭りとしてこの字が当てられた。仮装行列やパレード、各種イベントなどが開催され、島外からも大勢の観光客が訪れる。

旧き世代
[ふるきせだい]

長大な寿命を持つ吸血鬼の中でも、特に長く生きて強力な魔力を手に入れた者。正確な定義はないが、一般的に二百年以上生きているか、それと同等以上の魔力を持つ個体を指す。

人工生命体
[ホムンクルス]

錬金術によって人工的に生み出された生物のこと。狭義には人間型のものだけを指す。多くの場合、通常の人間よりも肉体的には脆弱である。安価な労働力として期待されていたが、製造コストが高く、現在では生産量は少ない。主に新薬の臨床実験などの目的で利用されている。
人道的な理由から、軍事利用や性産業への従事は認められていない。また拷問、虐待、奴隷的拘束についても禁止されている。しかし違法な売買を行う業者は依然として多く、社会的な問題になっている。

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ま行

舞威媛[まいひめ]

獅子王機関に仕える攻魔師。呪詛と暗殺の専門家であり、それが転じて要人警護や密偵の任務に就くようになった。本来は〝真射姫〟と呼ばれる狙撃手だが、その役割を隠すために現在の漢字が当てられている。
任務の性質上、医学、薬学や国際関係などの広範な分野の知識を持ち、語学にも堪能な獅子王機関の最エリート。正面きっての直接戦闘では剣巫に一歩及ばないものの、高度で多彩な呪術はその不利を埋めるのに十分である。

魔族登録証
[まぞくとうろくしょう]

魔族特区に正式に登録された適法な魔族であることを示す身分証。手首に装着するブレスレットの形で提供されることが多い。これを提示することで、様々な行政サービスを受けられるようになるほか、生命活動の維持に必要な物資や、嗜好品の提供を受けることができる。一方で魔力や心拍数、位置情報などが記録されており、犯罪を抑止するための監視装置としての機能も果たしている。

魔族特区
[まぞくとっく]

魔族の存在が公認され、保護されている特別区域。区内に住む魔族には、条例の遵守と、研究対象としての協力義務が課せられる代わりに、人類と対等の市民権と、就学・就労の機会が与えられる。魔族の肉体組織や特殊能力を解析して、科学や産業分野の発展に利用することが魔族特区の直接的な目的。そのため特区の維持管理費用は政府だけでなく、製薬、精密機械、ハイテク素材産業関連の企業からの出資でまかなわれている。

魔導書No.539

犯罪組織〝LCO〟が保有する魔導書の中の一冊。〝空間〟を司る能力を持つ。本来は魔女の扱う空間制御と同様の能力だが、能力を無差別に解放されたことによって、絃神島周囲の空間に無数の亀裂を生みだした。

メイガスクラフト

国際的な大企業で、機械人形生産の大手。近年では経営状態が悪化していた。絃神市内に研究施設があり、叶瀬賢生の模造天使開発を支援していた。

モグワイ

絃神島の運営管理を行う五基のスーパーコンピューターのアバター。本来の役割はプログラマーの支援を行う補助人工知能だが、クセが強く、藍羽浅葱以外には使いこなせる者がいない。奇妙に人間臭い皮肉屋であり、絃神島で起きる様々な事件を俯瞰して楽しんでいるような素振りをみせる。

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や行

闇誓書
[やみせいしょ]

魔導書の中でも特に強力な力を秘めた一冊。読み手の思いのままに世界を書き換える力を持つ。仙都木阿夜が使用して、世界からすべての異能の力を消し去ろうとした。
ただし闇誓書の力が及ぶのは、ひとつの街の中だけという制限がある。また発動条件は非常に厳しく、特に星辰の配置の影響を強く受ける。


[ゆらぎ]

獅子王機関の剣巫、姫柊雪菜が使う呪文。瞬間的に呪力を限界まで増幅する。 敵の体内へと呪力を直接撃ちこむ際に使用。雪菜が徒手で使う技の中では最大の破壊力を誇る。

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ら行

ランヴァルド

アルディギア王国所有の装甲飛行船。航空機というよりも船舶に近い使われ方をする機体で、アルディギアの王族が外遊時に使用。騎士団の象徴にもなっている。全長百七十メートル超。飛行船の船体は特殊合金の硬殻に覆われており、12門の機関砲を装備する。推力はターボプロップエンジン4基。巡航速度は450km/h。疑似聖剣に霊力を供給するための精霊炉も搭載。飛行船という形態が選ばれたのも、戦場に速やかに精霊炉を運搬するためである。

龍脈
[りゅうみゃく]

地表を流れるエネルギーと、その経路のこと。レイラインとも。地球をひとつの生命体と見なしたときに、その体内を循環する気脈の流れに相当する。龍脈を利用することで、通常では不可能な大規模魔術の実行が可能となる。古代文明の遺跡の多くが、レイラインに沿って配置されていることは有名。一方で龍脈の巨大すぎるエネルギーは取り扱いが難しく、不用意に刺激することで天災を引き起こすこともあるという。絃神島を龍脈の上に建造する際、そのエネルギーの制御が最大の課題になるといわれていた。

戒めの鎖
[レージング]

南宮那月が虚空から呼びだす銀色の鎖。古代超文明の産物であり、凄まじい強度を持つ。主に魔族を捕獲する際に使用。先端部は鋭い突起になっており、直接相手を撃ち抜くような形で使われることもある。

ロタリンギア王国
[ロタリンギアおうこく]

欧州にある立憲君主制の国家。西欧教会との結びつきが強く、ロタリンギア正教は西欧教会の中でも有力な教派となっている。世界有数の工業国であり、精密機械類と自動車産業で有名。しかし戦王領域と国境を接していることに加え、国内にも魔族系の労働者や移民が多く、彼らとの軋轢が社会的な問題になっている。

ロドダクテュロス

人工生命体アスタルテと共生している人工眷獣。最初アスタルテの両肩から生える巨腕として出現したが、完全体では宿主であるアスタルテの肉体を取りこんだ巨像(ゴーレム)の形になる。透きとおった半透明の肉体が特徴。

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わ行

若雷
[わかいかずち]

獅子王機関の剣巫が使用する呪式戦闘術・八雷神法[やくさのいかずちのほう]のひとつ。左腕での打撃。呪力と気力を利用した攻撃により、魔族を素手で制圧することを目的としている。八雷神法による攻撃は、魔族の肉体を破壊し、再生を阻害する。

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